受験基礎知識

海外からの大学受験

6. 各教科の勉強法


1. 小論文

最近では一般入試の科目の一部やAO入試に小論文を課す大学・学部が増えているため、「読むだけで書ける!」というようなキャッチコピーの小論文の平易な参考書を多く見かけます。たしかに、日本の高校生であれば、歴史や政治・経済の授業で学んだこと、国語の授業や入試の現代文読解で読んだ論説文の内容などを活かして、そうした参考書を頼りにそこそこの小論文を短期間で書けるようになるかもしれません。

しかし、海外の滞在期間が長い高校生は、小論文を書くために必要な基礎的な教養が欠落しているようです。また、日本語の文章を読む絶対量が不足しているため、語彙力に乏しく、論理的な文章の構成が身についていない高校生も目立ちます。

小論文を書くためには、まずインプットが重要です。最低でも近現代の日本の歴史の流れは頭に入れておきましょう。また、日頃から日本の政治・経済・文化などに関するニュースをチェックし、知らないことや気になることがあれば、そのままにせずすぐに調べる習慣をつけましょう。そして、過去に大学入試(一般入試でも可)で出題された小論文のテーマで実際に小論文を書き、書いたものを添削してもらってアドバイスを受けるといいでしょう。

2. 現代文

帰国生入試に現代文読解を課す大学は限られていますが、ほとんどの帰国生が早稲田大学の多くの学部で必要となるため避けて通れない科目です。また、現代文読解の学習は、小論文を書くために非常に重要です。なお、帰国生入試の現代文で出題される文章は、論説文や随筆が中心で古文や漢文は出題されませんが、歴史的仮名遣いや和歌・俳句など、常識的な範囲の教養は問われますので要注意です。

現代文は、小論文と同様に独学が難しい科目です。滞在国に学習塾があれば指導を受ける方が無難ですが、不可能な場合はできるだけ解説の詳しい論説文の問題をたくさん解くようにしましょう。

3. 英語(TOEFL iBT)

慶應義塾大学や上智大学のように、事前にTOEFL iBTのスコアを提出する代わりに筆記試験に英語を課さない大学もありますが、早稲田大学は英語の試験が必須です。出題内容の傾向は大学によって違いますが、まずはTOEFL iBTで高いスコアを取れるように勉強しておけばいいでしょう。

TOEFL iBTは教材が充実していますので自習がしやすい教科といえますが、英語に自信がない滞在年数の短い高校生はTOEFL指導に精通した教師に指導を求めるべきです。目標は高校3年生になるまでに105点以上を取ることです。SATの結果にもよりますが、これで慶應義塾大学合格が見えてきます。英語が苦手な高校生でも必死に勉強すれば85〜90点には届くはず。ここまで行けば、上智やICUも有望です。

4. 統一試験(SAT)

基本は滞在国の統一試験を目指して勉強をすればいいのですが、オーストラリアに滞在する高校生は、試験スケジュールの都合で統一試験(NSW州であればHSC)のスコアを提出できません。このため、慶應義塾大学や横浜国立大学経済学部などを受験する場合は、代わりにSATのスコアを提出する必要があります。SATは米国人高校生を対象としたテストなので、日本人にとって英語のセクションは非常に難しいと言えます。ただし、年間6回(1・5・6・10・11・12月)も受験チャンスがあり、最終学年を待たずに受験できることを考えれば、一発勝負のHSCよりもむしろメリットがあると考えることもできます。

SATはTOEFL同様に教材が豊富に出回っていますが、高いスコアを取るにはコツが必要なので経験豊富な教師の指導を受けることが必要となるでしょう。なお、慶應義塾大学は、SAT Reasoning Test(旧SAT I)の他、SAT Subject Test(旧SAT II)の受験も必須であるため、この対策も必要となります。


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