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読書は心の成長の伴走者

 最近、日本では「朝読書」の習慣を取り入れる学校が増え続けているそうです。毎朝、登校後の10〜15分を生徒も教師も全員で読書をする、というものです。あえて、忙しい朝の時間に読書をすることで1日のスタートが清々(すがすが)しいものであったり、勇気を与えらるものであったり…それって、すごくうらやましい習慣だな、と思うのですが、みなさんはどう考えますか?
 読書の良いところは、「本はすべての人に平等だ」ということではないでしょうか。その本の扉を開いた人すべてを未知の世界に招待してくれます。ある時は冒険の物語に誘(いざな)い、また、ある時は古(いにしえ)の知恵を授けてくれるのです。
 そんな読書を楽しむ習慣は、きっとみなさんの心の成長の伴走者になってくれると思います。これまで、あまり本を読むことが好きになれなかった人も、ステキな1冊との出会いが読書への気持ちを変えてくれるかもしれません。この「オススメの1冊」が、みなさんと本との出会いをお手伝いすることができれば幸せです。

episのおすすめ本

いもうと物語

photo『いもうと物語』(氷室冴子 著)
新潮文庫
定価(税込み)460円






 『ちびまるこちゃん』や『サザエさん』は、ごく平凡な日常生活の中にあるちょっとした出来事を改めて取り上げるところに面白さがありますよね。『いもうと物語』はその小説版といったところでしょうか。

 小学4年生の女の子「チズル」が暮らすのは昭和40年代の北海道。だから、episのみんなとは世代も暮らしている場所も全然違うのだけれど、共感できるところはきっとたくさんあるはずです。時代が変わっても子どもの気持ちの大切なところは変わらないものです。
 だから、この本を読んだ人は、「ああ、お父さんやお母さんも自分たちと同じような子ども時代を過ごして、泣いたり笑ったり、真剣に悩んだり、心の底から感激したりしながら大きくなったんだなあ」と実感できると思います。

 そして、大人になった僕たちは、小学生には小学生なりの人付き合いがあり、気を遣ったり、傷ついたりしていたんだということを改めて思い返すことができるかもしれません。そんな当然すぎることを大人になる過程の中で不思議と誰もが忘れていってしまうものですから。
 
 なお、面白すぎて声をあげてゲラゲラと笑ってしまったり、目頭が熱くなってしまうこともあるので人前で読むには注意が必要です。僕はバスの中で読んでいて、周囲の人から変な目で見られてしまいました。

 ところで、僕と同じくらいの世代の人なら、この小説を読むと無性にカルピスが飲みたくなるかもしれません。昔は夏に飲む冷たいカルピスは何とも言えず美味しいものでしたよね。お中元で「各種カルピスの詰め合わせ」なんていただいた時には、小躍りして喜んだものです。最近の子どもたちはどうなんでしょう? 水で薄めて飲む飲み物なんて見向きもしないのかな。

 ちなみにこの作品は中学受験の国語の問題でよく使われています。読んでおいたらそれだけで点が取れるというものではありませんが、気分的に随分得をするかもしれませんね。(鈴木 朗)

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