わかば深圳教室

教室長ブログ

セミナー開催のご報告「イノベーション都市としての深圳」

SegMakerでのセミナーの様子

10月26日(木)深圳市福田区華強北にあるメイカースペース・コワーギンクスペースのSegMakerにて「イノベーション都市としての深圳」というテーマで東京大学の伊藤亜星先生にご講演いただきました。

今回、伊藤先生には、このセミナーを「お父さん、お母さん」向けに開催していただきました。それは、深圳に住む多くの日本人が深圳に住んでいるにもかかわらず、目の前で何が起こっているのかを理解することができていないことに、私自身が非常に強く危機感を抱いていたからです。


華強北の電気街

今深圳は激動の時代を迎えています。かつて「コピー商品のメッカ」という惨めな呼称を持っていた深圳ですが、今や、「ハードウェアのシリコンバレー」「イノベーションの都」と天地が一変するようにその評価が激変しています。

深圳の技術者たちは、コピー商品を安く大量に生産し続ける過程で、完璧なコピー商品、さらには本物よりも高機能な商品まで作り出せるようになりました。技術者たちは、安価な労働力と高度な技術を武器に、安価で高性能な「オリジナル商品」までも作りだせるようになりました。

今回の会場となった華強北は街全体が電子部品の倉庫のような場所で、パソコンや携帯電話などのハードウェアに使われる部品は全て手に入ります。つまり、「今までにない新しい携帯電話を作りたい」と思い立ったら部品をかき集めて試作品をすぐに組み立てることができる環境が整っています。

華強北に行けば、ハードウェアの試作品を作る部品が全て手に入るので、ハードウェアのスタートアップたちはこぞって深圳に集まるようになります。同時にそこには「アイディア」も集まるようになります。


華強北 賽格広場

そして、そのアイディアを世に送り出すサポートをするインキュベーターやシリコンバレーのアクセラレーターまでもが深圳に進出し、一気に「お金」も集まるようになりました。

アイディアがあれば深圳に行き、部品を集め、試作品を作る。それをアクセラレーターが評価し投資をし、そして、世に商品を送り出す。このようなハードウェア・スタートアップのエコシステムが深圳にできあがったのです。

アイディア1つで深圳に行けば何かができるという「深圳ドリーム」を胸に若者が集まり、平均年齢33歳という若さと活気に溢れ、そして、歴史にしばられた北京や上海とはまったく異なる新しい都市で、「若さ」と「エコシステム」が融合し、テンセント、 Huawei、BYD、DJI、Makeblockなどの企業や、革新的な技術、 イノベーションが生まれ出すと、ついに深圳が「イノベーションの都」と呼ばれるまでに至りました。


SegMakerの3Dプリンター

このようなイノベーションの嵐が吹き荒れる深圳に住む子供達が何も体験せずに過ごしているのはあまりにも大きなチャンスロスであり、逆にこの機会に子供達が1つでも多くの体験をすることができたのであれば、 子供達一人一人の成長という枠を越えて、将来の日本を支える貴重な人材を育てる機会になるのではないかと思っています。

そこで、今回は中国経済、深圳を研究されている伊藤先生の力をお借りし、まずは親御さん方から深圳の現状をご理解いただき、今後の教育に生かしていっていただきたいと思い、このイベントを企画しました。


SegMakerの展示品

今回のセミナーにご参加いただいた方々とは、「今、深圳に住んでいることに非常に大きな価値がある」ということを共有できたと思います。北京でも上海でも東京でもニューヨークでも、そしてシリコンバレーでも世界中のどこでもなく、そして、5年前や5年後でもなく2017年、2018年の深圳にいることに意味があります。

経済が低迷しどこか暗い雰囲気に覆われた日本ではなく、「若さ、生活の楽しみ、働く楽しみ、希望、夢、イノベーション」など明るい雰囲気に覆われた深圳で育った子供達は、普通の日本人が持ち得ないポジディブでクリエイティブな人格形成に大きな影響をもたらすと思います。

しかし、これは子供達が勝手に感じ取るのではなく、我々大人たちが深圳を正しく理解し、子供達に教育として与えていくべきことです。

深圳には日本人が楽しめるような観光地はほとんどありません。その代わりに、MakerFaire Shenzhenような学びの場はそこら中にあります。

イノベーション都市深圳に住む私たちは、ここにある教育資源を最大限に活用して深圳でしかできない教育を追求していけたらと思います。


教室長渡辺 敦

山形県出身。小学生時代は、近所で捕まえた昆虫を飼って生態研究をしてしまうような理科少年として山形の自然の中で伸び伸びと育つ。京都での大学生活を終えた後、中国の東北部や内蒙古で日本語講師として活躍。蘇州を経て香港に渡り、現在はわかば深圳教室の教室長として奮闘中。数年前までは、そのふくよかな体型から「エピスのトトロ」先生として大人気だったが、一念発起のダイエット&ジョギングの成果で、今はスマートな「なべちゃん」先生に大変身。温厚な性格ながら熱血受験指導に定評あり。